に投稿

ちょっと変なオジさんの右手の話し。アナンダの仕事との係わり

これは私が小学二年生の頃の記憶。最近、思い出しては、何か、今の自分に係わりが有るのではないかという気がして来た。その、ちょっと変なオジさんは、父が洋服屋を営んでいたので、たまに、店を閉める時間にやって来て、父と普通に話しながら、店が閉じるのを待って、小さな台を出して、二人で酒を飲み始める。私は子供だったので、父にあのオジさんの事を聞いてはいけない様な気がして黙っていたが、ふすまの向こうの方から見えた。

続きを読む ちょっと変なオジさんの右手の話し。アナンダの仕事との係わり
に投稿

のろまのスメーダ仙人

昔、ベンガル仏教寺に泊まった時に寺の人から聞いた昔話。

仏陀がもうすぐ、この道をお通りになると言うので、村人たちは道のでこぼこをシャベルや鍬で急いで平らにしていた。スメーダ仙人は山をも動かす力を持っているのに、やる事が、ひどくのろまで、その日も、手で畑の泥を運んで来ては道の中央に出来た水たまりを埋めていた。懸命に、だが、のろりのろり。

続きを読む のろまのスメーダ仙人
に投稿

鳥かごから出て自由に・・空を飛べるか!

昔、ペルシャの詩人が、「ああ、自分は鳥かごから出られて自由になった」と喜びの詩を歌ったそうだ。誰も自分の心に、無意識に評価の基準を作り、鳥かごを築いて、その中に自分を閉じ込めて生きて居る。鳥かごと気付いたら、破り捨てれば良いのだけれど、それが、そう単純には行かない。ヒトは群れる動物種だから。

続きを読む 鳥かごから出て自由に・・空を飛べるか!
に投稿

手作りが基本の国インドに憧れるのは?その根は?

手作りの文化は量産には向かない。量が増すほど精度が下がり、リスクが増していく。以前、綿の種取り機を100台、インドの村の職人に注文したら、喜んで受けてくれた。が、その職人から、しばらくして、60台で勘弁してくれと頼まれた。そして、受け取った60台の内、20台のみ、綿の種がつぶれない、そのテストも大変。売る時にも調節が自分でできなければ、アナンダに電話して、相談して下さい。と心配付きで売った。残りは調整に大変手間取るので、今も納屋に転がっている。

続きを読む 手作りが基本の国インドに憧れるのは?その根は?
に投稿

原始仏典、中村元、中阿含経第五十六巻。「この法は知に赴かず」

教えを求めて尊者アーラーラ・カーラーマを訪ね、学んでいた釈迦族の王子シッダールタは言った。わたくしは尊者の説く法に達するのに、そう長い時間はかからずに済んだ。わたくしは、ただ唇を動かし、言葉をかたり、長老の知識をひとに解説する程度には、われは見知り、われは理解する。と、自他ともに認め、先生と呼ばれるほどになった。そこで王子シッダールタは問うた。「尊者アーラーラ・カーラーマよ、あなたはこの法を、みずから感じ実証し、どの程度にまで体現して、われらに告げて居られるのですか?」と。しかし、実にアーラーラ・カーラーマはこの法をただ信ずるだけで、われみずから知り、証し、体現している。とは告げてはいない。そのとき王子シッダールタは気付いた。この法は知に赴かず、正覚に赴かず、平安に赴かない。ただ知識を獲得し師弟を演じる具とするのみ。と。そこで彼はそれを尊重せず、そこを出で立ち去った。

続きを読む 原始仏典、中村元、中阿含経第五十六巻。「この法は知に赴かず」