
誰でも自分の家でできます。洗いから自分でやったフリースへの愛着は格別です。家の外に水場がある場合はラッキー、ない人はお風呂場で作業。初回のすすぎ水は濃い泥汚れ、最後に羊の匂いが残ります。
要は、基本はセーターを手洗いするのと同じです。フリースの汚れと脂を洗うのが目的ですが、作業中にフェルト化させないようにする事が一番のポイントです。
用意するもの
- 洗濯ネット
- モノゲン(ウール洗い専用洗剤)
- ざる
- 容器(大きなタライなど)
風呂場で洗うとにおいが気になるなら、ふた付きの発泡スチロールも便利。
フェルト化させない洗い方のポイント
①上からそっとおすだけ
②温度を急に変えない
③ウール洗い専用洗剤を使う
④短時間でさっと洗いあげる
1.ネットにいれる
羊毛をネットにいれたほうが、脱水などで毛を移すときに毛がずれたりして摩擦がおきにくいのでフェルト化が防げるし扱いやすい。1頭分丸ごとなら毛布用の大きな洗濯ネットに、小分けして小さいネットで洗うのもよい。毛をわけるときは房をできるだけバラさないように注意。(汚れがひどい場合や脂が多いフリースは洗剤液で洗う前に、お湯に一度浸けてかるく汚水を流し脱水してから洗剤液で洗う場合もあります。予洗いはしてもしなくても、お好みで)

2.洗剤液につける
タライなどに湯をたっぷりはり、モノゲンをとかし洗液をつくる。羊毛を入れ、上からそっと2~3度押して沈める。(洗液に浸すためです。浸かったあと、なんども押したり揉んだりする必要はありません)短時間にさっと洗うのがコツ。汚れや羊毛の量によるが、30分~1時間くらいつけ置きして汚れや脂をふやかす。羊毛の汚れが落ちたか見る。(脂や汚れの落ち具合をみて必要ならもう一度洗液につけ洗いを繰り返す)洗液からざるに移し、洗濯機でしっかり脱水。

3.すすぎ~脱水
脱水したら洗濯ネットのまま、きれいなお湯へゆっくり沈める。(このときも何度も押しすぎないように)汚水がでたら脱水。洗剤と汚れがある程度おちるまで繰り返す。(お湯の汚れの度合いをみて、2回ぐらい)きれいにすすいでおくと紡ぐときホコリがでない。
遠心力で脱水機の壁にはりついて回るだけなのでフェルト化はしない。5~10分しっかり脱水してOK。
※ドラム式洗濯機など羊毛が動いてしまう構造はフェルト化の原因になります。要注意!
脱水機で水気が抜け軽くなるまでしっかり脱水する。脱水が不十分な濡れたフリースは毛同士がべとついて摩擦も増え、フェルト化の原因に。

4.干す~選別
ネットから取り出し(風がある場所ではネットに入れたままでも)風通しのよいところにふわっと広げて干す。しっかり脱水すると早く乾き、ふんわり輝く羊毛は感動の感触。
乾いたら、色や質をみて、自分がこれから作りたいものをイメージしながら毛を選り分ける。これが一番楽しい作業。(洗う前に分けるひともいますが洗ってからのほうが手もべとつかないし…)選別のコツは「使いたい毛」自分にとってもっとも良い毛をまず選び出すこと。柔らかい毛はマフラー、ここはセーターに、靴に、などなど…。ごみを取り除こうとすると無駄にステイプル(毛の束)を崩してしまうのできれいなところをとって、残った毛の用途は後回しに。毛先にのこった汚れも、乾いてからフリックカーダーでたたくとおちるのであまり気にしなくて大丈夫。



これってどのくらい?
洗剤の量
目安は羊毛の重さの5%~10%ぐらいですが、脂や汚れの度合いによって加減する。
お湯の温度
高ければ(60~70℃)脂がよく落ちる。あまり脂っぽくない毛や、脂分を残したいときは低めの温度で。
お湯の量
羊毛が十分つかるぐらい。すくないと十分洗液が行き渡らず汚れが落ちにくい。
脱水
遠心力で脱水機の壁にはりついて回るだけなのでフェルト化はしない。5~10分しっかり脱水してOK。
※ドラム式洗濯機など羊毛が動いてしまう構造はフェルト化の原因になります。要注意!
基本はセーターを手洗いするのと同じですから、難しく考えないこと。