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アナンダインドグループ旅行の特徴とねらい

アナンダのインド木版更紗旅行

この旅行に参加希望の方はこのアナンダ・グループ旅行の特徴とねらいを是非よく読んでからご参加下さい。

このグループ旅行のねらい

今の自分の暮らしの中で使えるものを作りに行き、その自作を背負って帰る事です。参加者のほとんど全員が、自分の手でもの作りする人達です。旅行業者には航空券手配を頼むだけで、全てインドとの長い付き合いで築かれたアナンダの個人的なつながりだけでこの旅行は構成されています。インドの村に、今も活きて居る伝統的な職人達に、その物作りを習いながら物を作るという事を通して人の心が通じ合う。アナンダのグループはこの感動がわかる人達なので、多分、観光業者には不思議な人達に見えて・・・近くに世界遺産が有ると言うのに、見向きもしないで、村で手を汚して木版を捺しているなんて・・・と、彼らは思って居るでしょう

植物染めの村について

バグルー村(植物染料、捺染)と、カラデラ村(泥防染、浸け染)という歴史ある木版更紗の村の染め工房を、職人ごと、二日間、計四日借り切り、皆さんが家で使う布を好きなだけ作って来る旅です。自分の作品作りの中心になりますので、参加者は自分の家のテーブルクロスやベッドカバー、カーテン、自分の服地、Tシャツやショールなど持って行っても染められます。昔からの更紗模様をイメージして、自分が使える物をいっぱい染めるつもりで、作りたい物を考えて行きましょう。(自分の図案の木版が欲しい人は前もってアナンダに連絡下さい。木版屋に頼めます(1月中にお願いします。)欲張って計画して行きましょう。壁一面にたくさん並んでいる木版の中から好きな版を選んでミロバランで下地染めした布に伝統的な黒、赤、茶の三色が捺せて(実は、色を捺しているのではなく鉄媒染、アルミ媒
染、茶はタンニン系の何か)
それを次の日に、アリザリン(茜の色素)の釜で低温(80度C以下)で染めをします。
カラデラ村は、泥で防染しての浸け染め。前日に自分が捺したものも防染で、地染、藍などを加えられます。感じの良い古い村の染め屋です。技術もだけど、現地の職人達の人柄に、こちらも作る人として対等に接することができるのが面白いです。各村で3種類の布をそれぞれ2〜3m作ることができます。(旅行費用に含まれている)

科学染めの木版更紗布・再生綿の手漉き紙工場について

数年前から植物染めの布だけではなく化学染めの木版更紗布も輸入しています。その中心的な染めの街がジャイプールの隣にあるサンガネールです。今回も見学だけではなく午前中だけですが化学染めの木版も是非経験してもらいたいので日程に加えました。昼食は街のダバと呼ばれる庶民の食堂に行きます。職人や働く人たちが利用する普通のレストランです。午後からは近くのリサイクルのゴミの集積場にある手漉き紙の工場に行きます。綿の生地などを粉砕し紙を作っている工場です。必見です。

化学染めの工房で絞り染め

ジャイプル市内のイスラム地域にある化学染めの工房に行きます。家族総出で絞り染めをしている工房で絞り染めを自分の好きな色に染めることが出来ます。工房の前にはモスクがあり、そのエリアに入るとまた違う生活感を肌で感じることができ、是非、皆さんに直に見てもらいたい場所です。

観光について

観光はやらせ、見せ物で、その背後にある思想は「王様の権威」と「金儲け」なのでインド文化を誤解します。この旅行では村人、職人達の暮らしに接し、しかも手で物作りの交流なので、意外にも言語なしで多くの事が通じ合う、とても楽しい旅です。時に私達の料理人が村の野菜市場で食材を買う時にも、野菜市場の奥までついて行くと、初めて見る野菜やくだもの。人々の間を自由に歩いている牛や山羊やブタの親子などに驚いたり、自由行動の日にはベジタリアン料理を習ったり、ヨガやオイルマッサージなど。 
観光は無しとは言え、自分を大事にする国なので、何でも希望があればアナンダに言って下さい。観光したい人にはタクシーの手配や友人のガイドを付けてあげられます。

参加する皆さんに伝えたいこと

アナンダは皆さんを一人でも多くインドに連れて行って体感してもらいたいものが実は有るのです。その手作りの暮らしから、西洋とも日本とも根底の違いを感じる何か、これを楽しんでもらいたい。つまり、観光地ではなく、日常の人の暮らしに接すると感じるのですが、それは、多分、日本が高精度の機械生産の国として社会がきっちり出来あがっているのに対して、インドは自分で生きる、手作り思想の国と言う感じ。それもあるし、地平線に沈む太陽や、羊の群れが遊牧民に引かれて遠くを行く風景、大自然の中の淡々とした農民のインド哲学的な生き方などに感動したり 又、町の大通りで牛、やぎ、犬、イノブタの親子や猿の一家などがつながれもせずに、人間と、まるで同等の生きる権利を持っているかのように生きて居る風景。命を排除しないこの人々の生き方の不思議さに感動したり等々するのですが、それらも含めて、それ以上に感じ方は皆さんいろいろですが、言葉では言えない深いものが見えて来るでしょう。

インドのそれが優れているとか、正しいとか言う気は全く有りません。が、皆が活きて居る日本の空間には、そのちょうど反対、異質を排して整頓する几帳面な日本人という一面が、色濃く有るので、日本の子供達はとても厳しい環境で活きて居る。その中で、当然、不登校がとても増えて、この社会の未来に不安を感じます。これは現場に立たなければ説明してもダメという感じです。インドに見られる古代から続くその流れは、日本にとって、多分、救いとなる大きなヒントが詰まって居ると思います。

日本がまだ石器時代だった頃、インド亜大陸には上下水道が完備した、都市国家が有った。この永い歴史に多くの民族の多様な人々が移り住み、お互いに戦わずにうまくやって行く工夫の歴史、他者をそのまま認めて互いに責めない、排除しない。この 赦しの文化 は、争いを避けて暮らす何千年もの、その知恵の蓄積。ここには地球上から戦争を無くすためのヒントが、多分、潜んでいます。非暴力、徹底抵抗で、人を殺す武器は使わず、あの賢い大英帝国を参ったと言わせて、独立を勝ち取った、あの、マハトマガンディーの思想はインドの誉れどころでなく、多分、人類に進化をもたらす偉大な思想に違いないのです。