社員募集 履歴書を添えてお手紙下さい。
勤務地:山梨、給与等委細面談、仕事内容はパソコン伝票打ち、商品梱包発送、倉庫整理等の体力仕事、電話で受注親切応対などから始まって、将来は海外の牧場主や職人との通信対話(英語)、加工発注や羊毛等買い付けがしたい人。インド、N.Z.等へ研修あり、美術工作趣味の有る方(アナンダは手で作る人に奉仕するのが仕事なので、自分が手で作る仕事はありません)
アナンダの仕事
その潜在的市場とねらい・・・意外に誤解されている。
「ヒト」は群れて繁栄している。非常に多くの事柄(知識や経験)を記号化して共有し、高い生産性を実現している。その「共有」のためにヒトはどれほどの労力を払って居ることか。情報産業、教育機関は勿論、日常のあらゆるところで・・・・、親は子供に群れの掟、マナー、世間の常識を尊重する事、左右に気を配り従順である事。たとえ直接の指図はしなくても、優しい眼差しと口調で効果的に「こう感じなさい、こう考えなさい」と言っている。立派なお手本が頭の中に在って、完成を目指して成長してもらいたい・・・これは実際、当然の事でしょう。 江戸時代からの手芸や習い事は、お手本通りに決まった手順に従って仕上げる。この従順な忍耐が完成時に快感となって跳ね返って来る。この従順であることが群れるシステム(社会)を効率良く機能させるので、当然、学校教育から日常の多くの趣味までが従順化訓練になっている。従順な事は楽な事で、全て物事をいちいち自分で感じたり考えたりしなくても、指導者の判断に従っていさえすれば事が済む。さて、しかし、果して人類の目指す社会はこういった社会なのだうか? 天気予報は正確、空を見て天気を判断する必要はなく、さらに細やかに「今日は半袖シャツでは肌寒いから云々」とか洗濯はどうのと放送で言ってくれる。エスカレーターに近付くと「足もとにご注意、手すりを云々」。名曲が流れる前に解説者が「この曲はああでこうで、こう感じなさい」と「指導」してくれる。学校では規準に従って子供の従順度を採点している。
まるで空気のように慣れている、この従順化の作業に対して単純に「悪い」とは誰も言えない。そうではなく、アナンダは「個人という主体が自然に育つ環境」、子供の頃から自分の内の「感じる」を大事に、自分で考えて自分の手でものを作るのが楽しいという環境を地道に広げて、この島国の全体主義的な風土を、多少でも個人尊重の方に変化させたい。そうしなければやはり恐ろしい。ドイツ帝国のアドルフ・ヒットラーが「統治者にとって何と言う幸福であろう、人間が物を考えないとは」と言った(「魂の殺人」A・ミラー著、新曜社)この従順な個体の群れに実際、「愛国」は恐ろしい。本能的にこれを多くの人が感じている。これがアナンダの巨大な潜在的市場です。個人主義は観念では捉えられず、生活して体感するしかないので、社員はインドに研修に行きます・・
(阿)会報 糸ばたかいぎ 2006年5月号掲載